「低体重・低栄養状態から健康体になるまでの道のり」は
3段階に分けて考えると取り組みやすいと私は考えます。
今日はその3つのステージについて
それぞれ全体観をお話しします。
ちなみに、この本は3つのステージに分けて構成しました。
よかったらお手にとってご覧ください。
拒食症を心から回復させる
※注意
これは、私自身の経験と、
私のカウンセリング経験から、さまざまなクライアントさんと試行錯誤をつづけてえた考え方なので
医学的なガイドラインに則っているわけではありません。
摂食障害が回復するとは
摂食障害を根本的に治すためには、「体重が増えても大丈夫と思える心を育てること」です。そう思うことができないと、たとえ体が健康になったとしても、心は増えた体重を受けいれることができず、食事制限と過食をくり返す悪循環に…
しかし、いざ病院でカウンセリングを希望しても、受けられないことが多いでしょう。
なぜなら、低体重ではメンタルケアより、体のケアが優先される傾向にあるからです。
もちろん、超低体重の場合、命を最優先させるべきです。また、飢餓状態では思考が極端になりやすく、自分の気持ちと向き合うほどのエネルギーがないため、心理療法を行っても効果が得られにくいことは確かです。
しかし、体のケアを優先しても、心が置き去りになり、
「食べようと思っても、やっぱり食べられない」
「無理やり食べても、罪悪感で運動をしてしまう」
「増えた体重が許せず、また拒食に戻る」
という状態になり、通院を挫折する人もめずらしくありません。
そのため、回復のためには「体のケア×心のケア」を両輪で行うことが大切です。
基本的に、拒食症の疑いがある方は、病院で「体のケア」をしてください。
特に、低体重・低栄養状態の方は、入院治療が必要な場合や、血液検査で異常が見つかることも多いです。また、「あなたは摂食障害です」と診断してもらうだけで、心が軽くなることもあります。
そして、私のYouTubeや本を「心のケア」の一助にしてもらえたらなと。
心のケアと言っても、注力するケアは、それぞれのステージによってちがいます。
みなさんも考えればわかると思いますが、
拒食症と一言で行っても、症状には幅があって、
・全く食べられないBMI15の人
・一人前は食べられるBMI15の人
では、回復のアプローチの仕方は異なりますよね。
全体の流れとしては、
まずは食事を1人前食べられるようになるために
ダイエット情報の誤解を解きます。
ある程度食べられるようになったら、
拒食になった原因に向き合います。
そして、痩せたい理由がわかったところで、
少しずつ食事量も増やしながら健康体を許す
という流れが一番効果的だと感じています。
つまり、
まだ一人前も食べられないのに拒食の原因に向き合えないから、まずはある程度は食べられるようになろう。
ただ、健康体は受け入れられないだろうから、
頭が働くようになったら痩せ体型への執着を軽くするためのカウンセリングをしましょう〜という流れです。
ステージ別の目標
★第1ステージ「学習×食事」
【第一ステージの目標】
低体重のままでいいから、一人前食べられるようになる
【目標達成のために、取り組むこと】
食事制限、過活動、ストレスで太る理由を学習し、
安心できるものから、食べることに慣れていく
低体重・低栄養の状態では、頭がうまく働かず、自分に向き合えるほどの力がありません。
そのため、まずは一口でも多く食べていきたいところ…
そこで必要なのは、「新しい視点」です。
ダイエット情報を問い直し
「食べても大丈夫」と思えるような知識を学び、
安心できるものから食べることに慣れたり
休むことを許していきます。
そして、一人前では体重が増えつづけないことを実感してみよう。
★★第2ステージ「心の傷に向き合い、自分を知る」
【第2ステージの目標】
痩せたい気持ちの原因となる、心の傷に向き合い、自分を理解する
【目標達成のために、取り組むこと】
食事への挑戦はペースダウンしても良いので、傷ついた経験に向き合い
痩せ体型にかわる心の支えを見つけていこう
第二ステージが一番重要です!
この拒食の根っこの部分にうまく向き合えると、
第3ステージからの回復がめっちゃ早いです。
一人前ほど食べられるようになったら、「心のケア=心の傷に向き合い、自分を知ること」に力を入れましょう。
摂食障害になる根本的な原因は、心の傷(トラウマ)です。
傷つく経験が重なると、「ありのままの自分」を認められなくなり、痩せ体型になることで、自分を認めようとします。
ここでは、食事に挑戦するよりも、「痩せたい気持ち」が生まれる原因に向き合い、自分の望み・不満・不安を知っていこう。
そして、痩せ体型にかわる、心の支えを見つけていきます。
この、心の支えがキーポイントです。
★★★第3ステージ「自分を受けいれる(自己受容)」
【第3ステージの目標】
健康体な自分を受けいれる
【目標達成のために、取り組むこと】
摂食障害にとらわれない時間をのばしながら
社会生活に挑戦していく
心の傷を乗り越え始めると、痩せたい気持ちが軽くなり、少しずつ食べることを許せるように。
しかし、なかなか食欲や体重増加を受けいれることはできず、心はもっと複雑に。
第3ステージでは、食欲と体重増加を受けいれられない気持ちに向き合いながら、ありのままの自分を受けいれることを目指します。
また、思考や体力の回復とともに、社会生活にも挑戦しながら、摂食障害にとらわれない時間をのばしていきます。
その食事法や、心のケアの方法については、この本にすべてまとめて書いてあるのでよかったらご覧ください!
拒食症を心から回復させる