vol.17:過去の傷に向き合う

カウンセリングを受けている一人、アイさんのケースを今まで16回に渡って内容を公開してきましたが、少しずつ前進されている様子が伺えます。(アイさんには了承を得ています)

今回はアイさんの17回目の面談。現在、低体重でドクターストップにより休職中。拒食、過食嘔吐を乗り越え、体重増加を少しずつ許しながら、なんと自力では生理が来ました。

現在、復職を早めたい自分と、認めない主治医の間で、悶々とする日々を送っていらっしゃいます

今までの歩み

今週のアイさんの様子

・体重について

自分の体重が分からない事が不安で毎日、体重計に乗って確認してしまう。

しかし、増量していても、健康になれば家族も喜んでくれると思うと、嫌悪感や抵抗感を覚える事が少なくなった。

・本日の本題:過去の会社で傷ついたことについて考える

⇒会社で経験した数々のことを思い返すほど、分からない事だらけだった。
つらい、悲しい、寂しい、怒り、疑問、胸が痛くなる。

会社でおきた出来事の例

・自分が休憩をとる事に嫌味を言われる理由が分からなかった。
・上司に「人として問題がある」「性格に問題がある」「欠陥がある人間は評価されない」「存在価値を疑う」と言われ、自分の価値が分からなくなった。
・どれほど自分なりに努力して仕事を覚えていっても、出来なかった事が出来るようになっても、上司にとっては出来て当たり前で出来ていない事ばかりを叱責され、どこまでやれば認めてもらえるのか分からなかった。
・熱が出て早退した翌日「二日酔いで早退した」事になっていて上司に叱責され、わたしの早退はなぜ仮病扱いされるのか分からなかった。
・「具合が悪くても仕事はやってもらわないと困る」と言われ、高熱が出た時も骨折をした時も休まず出勤し業務を頑張っても

・「死ねばいいのに」と言われて、本当に自分の存在価値が分からなくなった。
誰かひとりでも「そんな事ない」の一言でも言ってほしい、助けてほしかったけど、誰に相談して助けを求めていいのか分からなかった。

・仕事から帰る頃はいつも胸が痛く、心臓が破れていると感じた。
「心臓が血まみれ、治っても明日の今頃はまた血まみれ」と思いながら、毎日帰宅する車内で涙を拭う気力もなく無表情に泣きながら帰った。

これを受けて、アイさんは

「こんな連中に負けるか、誰も助けてくれないなら自分で自分を守る」と強気に振舞い、周りに抗い自分の意見を主張し、反発的な態度もとった。ちゃんとした人間だと認めてもらえる様に、必死に仕事に打ち込んだ。
おそらく、そんなわたしの態度が気に入らず、余計に反感を買っていたのかもしれない。弱者として、彼らの前でしおらしく弱々しく振舞い、頭を垂れて媚び諂う方が賢い選択だったのかもしれない。

多くの人からしてみれば、わたしが受けた痛みなど「その程度の事」と感じると思う。
事実、話した所で「過去の事、終わった事」と軽く流される。
「過ぎた事をごちゃごちゃ言うな、そんな事を蒸し返すな」とも言われた。
所詮「そんな事」なので、誰に何をどれだけ訴えようと無意味だと知る。
伝わる事が無いのであれば、自分を否定する方が早くて簡単だった。

単にわたしが幼稚で弱く、努力も我慢も足りなかった。
言う通り、わたしは出来損なった欠陥品。
誰も悪くない、全部自分が悪い。
自分が区切りをつけるべき、自分の中だけで終わらせるべき。
理解しているが、まだそれが出来ていない。

これに対し、私の返答は

・アイさんの過去の出来事に対し必要なのは、まずは癒してあげること。この内容を誰か(ここでは私)に話すことで、自分自身を癒すことができるので、気持ちが解消するまでは私に話していきましょうと伝えた

・相手を変えることは難しい、だから自分自身の気持ちや、過去の出来事の捉え方を変えていこうという話をした

・単に自分を責めることで解決しようとしていないか?自分を否定することでは何も解決しない。 など

このような内容を話させていただきました。

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